2022年5月研究会(オンライン)のお知らせ

日本演劇学会 演劇と教育研究会

2022年5月研究会(オンライン)のお知らせ

▼日程:5月22日(日) 14時~17時頃
▼会 場:ZOOMによるオンライン実施(申し込み方法は下記)

研究発表

▼発表者:山本直樹(長野県立大学)
▼テーマ:表現としての演劇の独自性とその教育的活用の検討-幼児教育・保育の分野における「演じて遊ぶ」体験を例に-
▼内容:

演劇は、学校教育における教科の扱いではない。しかし、言語能力・社会性を養うための活動や、身体性を伴う獲得型の学びの方法、そして、それらを同時に達成する活動としても重宝されている。なかでも、活動を総合的に展開することを柱とする幼児教育・保育の分野では、その公的なガイドライン「幼稚園教育要領」の中に「演じて遊ぶ」表現体験の重要性が明確に示されている。そのため、保育者を養成する学校でも、ミュージカルや音楽劇(オペレッタ)等の総合性を有する上演活動を通した表現の学習が展開されている。

 もちろん、演劇の魅力として総合性を挙げることに異論はない。しかし、演劇自体も音楽・美術・舞踊等と並ぶ表現方法の一つである。演劇に総合的な活動を成立させる役割だけを付与すれば、イメージの世界を楽しむことや他者になる等の演劇表現の醍醐味が活動から抜け落ちる。総合の中にある演劇表現の独自な要素とはどういうものか、幼児教育・保育における「演じて遊ぶ」体験を例に整理し、それをふまえて、保育者養成校において演劇表現を活用することの意義や課題を考察することを着想した。

 本研究の目的は、表現活動としての演劇の独自性とその教育的活用の検討である。

■研究会の申し込み方法

参加を希望される方は以下のフォームに必要事項を記入の上お申し込みください。後日、ID/PWまた

はURLをご連絡します。

https://forms.gle/b4jgUofCQH94k1rh8

■研究発表&実践報告の募集

日々の研究成果や実践をご報告してくださる方を、募集しています。
口頭によるご報告&質疑、60~90分程度。
実施に際してはA4版2~3枚程度のレジュメ作成をお願いしています。
ご希望の方は、E-mailで研究会宛ご連絡をお願いします。
運営委員会で確認後、日程等のご相談をさせていただきます。
日本演劇学会分科会 演劇と教育研究会


5月研究会は、長野県立大学の山本直樹氏のご発表でした。「表現としての演劇の独自性とその教育的活用の検討-幼児教育・保育の分野における『演じて遊ぶ』」体験を例に-」というテーマで、執筆中の博士論文の一部をご発表いただきました。演劇教育における「演劇」の総合性とは何か。演劇表現に関する整理。保育者養成校としてどのような表現体験が必要なのかなど、ご自身の問題意識を数多くご提起していただきました。

発表後、参加者との間では、保育者養成における演劇教育は何を根拠・論拠とすべきなのかなど、「演劇」、「教育」そして「演劇教育」に対する研究の論点や手法などについて活発な議論が交わされました。これらの“古くて新しい課題”は、議論によって結論を見出すことも大切ですが、継続して議論を繰り返すことがより大切なのではないかと気づかされる研究会でした。山本先生、参加者の皆さま、お忙しい中ありがとうございました。(司会:高山昇)